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こんなものも

個人的には名前も知っていたが、朝日新聞のコラムで取り上げられていたので、そのまま紹介します。
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海や川に捨てられた釣り糸にからまり、脚がちぎれた水鳥を見かけたことがある。釣り人のマナーにも問題があるが、水底の岩に引っかかって切れるなどやむをえないケースもある。そこで東レが開発したのが、自然界に残ってもやがて分解してなくなる釣り糸「フィールドメイト」だ。

 微生物によって分解される生分解性プラスチックを使っている。同社が製品化に乗り出したのは91年ごろ。当時、捨てられた釣り糸による水辺環境の悪化に社会の関心が集まり始めていた。

■釣り師も声

 はじめは植物を原料とするポリ乳酸などを利用できないかと考えたが、釣り糸のしなやかさがなく、結び目で切れやすかった。結局、石油を原料とする生分解性プラスチック「ポリブチレンサクシネート」を使うことにした。

 開発にあたっては、プロの釣り師らの意見も聴いた。95年に試作品ができたが「引っ張ったとき、ゴムのように伸びすぎ、魚のアタリがわからない」とクレームがつき、販売を延期。溶けた樹脂を糸にする工程の温度、速度などを変えて欠点を改善し、96年3月に発売した。

■強度が課題

 東レ繊維研究所(静岡県三島市)の前田裕平・研究主幹(49)によると、淡水では約3カ月、海水では約半年で、引っ張っるとすぐ切れる「強度ゼロ」の状態になる。やがてボロボロになり、水と二酸化炭素になるという。

 03年に改良版を発売した。工程の熱処理方法を変え、強く引っ張ると糸が縮れるという欠点を克服した。伸びやすさもそれまでの製品の半分程度に抑えた。

 しかし強度は依然としてナイロンの釣り糸の75%程度。同社の釣り糸に占める売上高は約1%で、釣り人に浸透しているとは言い難い。同社機能資材・商品開発センターの高橋洋所長(55)は「強度を高めれば、より細い糸で大物が釣れるようになる。さらに改良を続けたい」と話す。

〈メモ〉

 糸の太さは約0.2〜約0.5ミリの8種類で、希望小売価格は1200〜1500円。使用後、洗わずに保管すると、付着した微生物のせいで糸の分解が進むことがある。水洗いし、乾燥させるのが長持ちのポイントだ。

〈ひとこと〉

 釣り糸が自然に分解するといっても数カ月かかる。糸を海や川に残さないという釣り人の努力が不要になったわけではない。

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 知名度や作っているのが「東レ」だけなので、まだまだ値段が高く使いたくても使えない人が多いのも現状だ。日本人は釣り人口が極めて高い割には「Catch&Eat」の考え方が根付いていることもあり、あらゆるスポーツで紳士行為に重きを置く欧スタイルとは異なる。
 
 こういったところも日本の行政は殆ど見て見ぬふりを決め込んでいる。欧米では釣りは淡水、海水問わずほぼ許可制であり釣り場の保護や魚の放流のためのお金にそれらは使われる。勿論全員が守る訳ではないのだが、ルールを決めて行うことで、今後の楽しみを守ろうというのだ。カナダでは国以外も州政府単位で予算が組まれ、ライセンスから得られる収入以外でも、上記のような目的のために使われるのだ。
 
 日本の場合漁業組合というのが、地方に存在しその中でルールが決められるため、予算が少なすぎ密猟なども多く、最悪の状態だ。未だに無駄な事に税金が使われ、無駄な奴らにお金が流れる状態では難しいのだが、こういった製品が市場に流通されるために資金援助をすべきではないだろうか。

読んでいて意外だったのが石油系の原料で自然に帰る製品が作れるのだ。全く頭のいい人達の頭の中はどうなっているのでしょうねぇ?
by thatswhy | 2005-10-23 20:55 | 素晴らしき
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